赤い下着の主
扉が開くと美奈実を押し込むように入ってきて、自ら施錠しながらキスをする。
ご丁寧に美奈実が持っていた部屋の鍵を奪っていつもの場所へ放り、代わりに自分の指を絡める。
ふと体を折られ、玄関に足を置いたまま廊下に背中を下ろされた。
覆い被さる梶原の顔が……たまらなく可愛い。
いっそのことこの部屋に閉じ込めてしまいたい。
二人で甘い空間に溺れて溶けてしまいたい。
重い思いはひた隠し。
濃い恋なら報われない。
逢ふことの絶えてしなくはなかなかに
人をも身をも恨みざらまし
中納言朝忠
逢ふことの絶えてしなくはなかなかに
彼をも身をも恨みざらまし
玉置美奈実