赤い下着の主

 ゾクリと背中に悪寒が走った。

「え……?」

 先生が、認めた?

「近所に住んでいることは知っていたと。コンビニや本屋で顔を合わせたことはあると、言っていたが?」

 反論ができない。

 なぜなら先生が言ったことは事実だからだ。

「なぜ何も知らないフリをした? 梶原」

 言い訳すら無意味。

 全ては高澤の手の平の上だった。

 二階を眺めるようになったなんていう誰が聞いても弱い根拠は、俺を油断させるための罠だった。

「わかってるさ。隠さなきゃいけないことがあるから、だろう?」

 負けだ。

 完敗だ。

 先生……!

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