赤い下着の主

 優はもはや視線すら彼に合わせることができない。

 高澤の誘導尋問によって、玉置との関係がバレてしまった。

 これから玉置はどうなるのだろう。

 バラされてクビ?

 俺も退学か?

 高澤に脅されて弄ばれるのではないだろうか。

 彼は優の前にやってきて、目の前の机に腰を下ろした。

「ここからは、取り引きだ」

「取り引き?」

「玉置先生は、まだ俺がお前との関係に気付いていることを知らない」

「……チッ」

 汚いヤツ。

 自分だけ偽善を振舞うってか。

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