赤い下着の主
「これは俺の恋路を邪魔するなとか、そういう意味ではなく」
嘘つけ。
お前の恋路にとって俺は邪魔に違いない。
「一同僚教師に道を踏み外して欲しくないと言う意味で、だ」
それに関しては何も言えないが。
「これ以上玉置先生と関わるな」
小さな声だったが、優の耳にはしっかり届いた。
「俺が嫌だと言ったら?」
高澤はまたクックックッと笑って、
「わかってるだろ」
バラすってことか。
「そうなれば、玉置先生は懲戒免職。お前にも何らかの処分が下る」
ちくしょう。
俺のことなんてどうでもいい。
先生の懲戒処分だけは、何としても避けたい。
「お前のせいで玉置先生がクビになるのは心が痛いだろう? それに、せっかく中学からこの学校に入ってきたのに、大学へ進めないとなると親御さんも泣くだろうなぁ」