赤い下着の主

 優はテーブルの脇に荷物を置き、思い入れの強いベッドへとダイブ。

 玉置のシャンプーの香りに包まれて、小さく興奮する。

 ここで重ねてきた密事を思うと、消し去ってしまいたい恋心が膨れ上がっていく。

 いつもはパリッとクールにキメている先生。

 可愛いとからかうと、少しだけムキになる先生。

 キスをすると、手にキュッと力の入る先生。

 ベッドでじゃれ合うと、顔を赤くしてイッてしまう先生。

 俺が拗ねて冷たくすると、泣いてしまう先生。

 玉置が自分に本気になることはないと納得していた。

 けれど、ここで触れ合っている時は、確かな愛のようなものが芽生えていると感じていた。

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