赤い下着の主

 だけど、それは芽生えてはいけない愛。

 高澤の言葉を借りれば、将来有望な学生と優秀な新人教師の未来を潰してしまう愛。

 いつか玉置の方から

「もうやめよう」

 と言われることを覚悟していた。

 まさかそれを、自ら言うことになってしまうとは……。

 ベッドに寝そべったまま玉置の帰りを待つ。

 玉置との思い出に浸っていると、優の意識はいつの間にか遠い彼方へ。

 せっかくなら甘い夢に溺れていたかったけれど、優は夢を見ることなく、深く眠った。

 玉置が帰ってきたのは、優が眠りについて2時間ほど経過した頃だった。

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