赤い下着の主
優がその赤い下着の持ち主である玉置美奈実(たまき みなみ)と出会ったのは、6月の中旬だった。
優は4月より彼女のことを認識していたのだが、一方的に知っているだけだった。
認識していたと言っても、それは赤い下着の持ち主として認識していたわけではなく、ただ、4月に赴任してきた教師として記憶の中に留めていた程度である。
しかしその玉置美奈実が稀に見る美人教師でなければ、優の記憶に留まることもなかったかもしれない。