赤い下着の主

 部屋はワンルーム。

 ベッドの位置は見えている。

 優は自分のスニーカーを脱ぎ、玉置の腕を引いてそのまま膝と肩を抱える。

「ひゃっ」

 驚いたような声を無視し、グレープフルーツの香りのする部屋へ。

 こざっぱりとした部屋にずっしり置かれたベッド。

 ピンク基調のチェック柄のカバーにその身を下ろすと、弾みで玉置のメガネがずれた。

 邪魔になったそれを外し、サイドチェストへ。

 曝け出された玉置の顔は、メイクなしでも鳥肌が立つほど美しい。

 想像以上、だが臆するな。

 あくまで強気に、優勢のまま。

 抵抗しない教師に有無なんて言わせるものか。

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