赤い下着の主




「黒! ぜーったい、黒!」

「いやいや、あれはああ見えて薄ピンクだろ」

 昼休み、目の前で展開される会話に、優は弁当を頬張りながら苦笑いを浮かべた。

「優、お前は何色だと思う?」

 優に詰め寄る友人、牧野と原田は、4月に赴任してきた美人教師、玉置美奈実の下着の色を予想し合っては、色はあるが意味のない物議をかもしていた。

「知らねーよ」

 食事中になんちゅー話をしてんだよ。

 とは言わない。

 なぜなら優も、少しばかり興味があったからだ。

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