赤い下着の主

「どうしたの? 出るんじゃないの?」

 玉置が優に問いかける。

 見とれてました、とは言えない。

「あ、はい……」

 優は慌ててドアを開け、職員室を出た。

 すると、同じようにして玉置も出てくる。

 玉置先生、きっとこのまま一階に降りて職員用トイレに行くんだ……。

 華やかな後ろ姿を目で追っていた優は、勇気を出して彼女を呼び止めた。

「あの!」


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