いつまでも
―予感がしたんだ。
奇跡の、予感……―
「おはよう晴!」
「お、おはよう」
昨日から、私おかしい。
あのあと、先生に家まで送ってもらった。
けど、どうしてたのか、どんな話をしたのか、
どうやって息をしていたかすら覚えてない。
「晴、なんかあった…?」
「なっ、なんにも?!?」
「ふうん…」
怪しいなあ、みたいな感じに見ていたけど気にしないことにした。
昨日から、おかしいんだ。
心臓、壊れそうになるくらいドキドキしてる。
先生の歌声が耳を離れない。
目の前がチカチカする。
「あー!!優哉先生!!」
ドキッ!!!!
や、やばい。
なにこれ、本当に…心臓うるさい。
「おはようございます」
にっこり、明らかに作り笑いを浮かべる先生。
「きゃあっ。おはようございます!」
「お、おはよ…ございます…」
舞に続いて、俯き気味に挨拶をした。
もちろん、心臓の音は止まぬまま………。
――――…、
お昼休み。
舞と2人で中庭のベンチでご飯を食べる。
「晴〜??」
舞は、ウインナーを頬張りながら私を見る。
「??」
私は、食堂で一番人気のメロンパンDXを食べながら耳を傾ける。
「晴さあ、優哉先生のこと好きでしょ?」
「っ?!ごほっ!」
突然すぎる問いに、メロンパンDXを口から吐き出す。
「き、汚いよ晴…。」
「すきじゃないよ!!!」
口の周りのメロンパンDXを吹きながらなるべく大きな声で言う。
「だっだって!!あれは、先生だし!!!そもそも、好きって分かんないし!!」
「でも晴、先生を見る目が違うよ?」
「そっそそそっそんなわけないよ!!」
有り得ないよ。
好き、なんてありえない。
絶対ない。
相手は先生だもん。
それに、好きなんて感情とっくに無くした。
_