いつまでも


今ではもう、
『男性恐怖症』で、有名なのだが。


まだ起ききらない体で一階に降りた。

寒い空気がスウェットの上からでも伝わったが、リビングに入るとやんわりとした暖かい空気が私を包んだ。


冬は、きらい。
だいきらい。

イヤなことを思い出すから。


「おはよ、晴。ご飯出来てるよ?」
「うん」


適当に返事をしつつ、テーブルに腰掛けた。

目の前にあるのは、カレー。明らかに昨日の夕飯の残りだった。

「お母さん、朝からカレー…??」
「いいじゃない!パワフル満点!!!」
「……」


あまりのテンションの高さに、自分から話を振ったものの無視をしてしまった。

なぜ朝から40のいいおばさんが、こんなにテンション高いの…。


心の中でそっと溜め息をついた。





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