僕の大切な人
「あの時はすまない事をしたと思っている
蓮君に、何も言わせないまま
一方的に言いたい事だけ言って
私達は、帰ってしまった」
「いいんです、反対される事は分かってます
あの時、ショックだったのは拓海が僕に
何も話してくれてなかった事だったんです
僕自身、拓海が一般人じゃないことは
うすうす気が付いていましたから」
「蓮…気づいてたのか」
「そりゃそうだろ
普通のサラリーマンは30万以上もする
オーダースーツを着たりしないし
靴や鞄や時計もそうだ
もし、持ってたとしても数は少ない
俺達みたいに、全てにおいてそうだ
という、サラリーマンはそうはいない
立ち振る舞いの事にしてもそう」
「…確かに」
「そう言うのって、金持ちの坊ちゃんって
自分で言っている様なもんだろ」
「蓮もそう思ってなのか?」
「・・・」
「そう思ってたのか…」
「拓海から告白された時、嬉しかった
すぐに返事しようと思ったけど
冷静に考えないといけないと思った
僕は、9歳も年下で男だし
でも、拓海の事好き、一緒にいたいって
気持ちのほうが、大きいからokしたの
その時、覚悟してたつもりだったのに
いざ、拓海のご両親に面と向かって
僕達の事、反対されてショックだった
その時、拓海の家の事とかも知った
それでも、その時は離れるつもりなかった」
「なら、何でだ」