僕の大切な人






「その後に来た…
拓海の婚約者だって言って僕に会いに来た
立花綾さんって女の人と会ったとき
拓海のご両親に反対されている現状では
この女の人の事が解決できても
また同じ事が繰り返されるって思った
僕は、弱い人間だから
それに耐え続ける自信がなかったから
拓海に言ったんだ」

「…そうか」

「渚さんに言われた事ない
拓海は恭司タイプみたいだから
厄介な女に好かれてるんじゃないかって」

「言われた、瑠依さんにも言われたよ」

「女である自分に分があると思って
仕掛けんだろうな」

「兄貴」

「母さんが、拓海に相応しいと思っていた
女性が、裏でそんな事してるなんて
思ってもみなかったんじゃない」

「そうですわね」

「あの時は急な話で、永泉に頼まなかったからな」


「まぁ、今更言ってもしょうがないけどさ
もし彼女と拓海が結婚してたら
今頃は、大変な事態になってただろうな」

「兄貴、俺があんな女と何て一瞬でも考えるな」

「悪い」






< 133 / 193 >

この作品をシェア

pagetop