僕の大切な人
「どう頑張っても、後3か月しかないのなら
自分の愛する人と、今までと変わらない
生活がしたい、死ぬなら病院のベッドじゃなく
愛する人の傍で…できるなら腕の中で…」
「そうか」
「俺は、仕事を休んだ
そんで、彼といろんなとこに行った
3か月って言われてたのに…」
「豪がいたからだな」
「・・・」
「今日だったんだな」
「あぁ…彼の遺言で骨は海に撒いた」
「そうか」
「俺は、墓作りたいって言ったんだけどな
彼にも俺にも、ダチや知り合いはいるが
肉親は誰もいないから、墓を維持してくには
金がいる、そう言われても俺は…
墓を作りたいって言ったんだ
いくらお前に言われても、
これだけは譲れないって言われたら
何も言えなくなっちまったよ
その代わりに、指輪を作るのを承諾させた」
「指輪?」
「骨を使ってダイヤを作り
それを、指輪等に加工する」
「へぇ~」
「賛否評論あるとはおもうけどな
彼も俺も納得したうえでしてるから
誰に何を言われても気にならない」
「別にいいんじゃないか
お互い納得してんだから」
「ありがとな…拓海」
「礼を言われるような事じゃねぇよ」