僕の大切な人





「蓮に1つ聞くが、もしかしたら
彼は一般人じゃないんじゃないかって
蓮はそう思ってたんだろ?」

「それは…まぁ…」

「どうしてそう思った?」

「身に着けるものが高級ブランド物だったり
ブランドじゃないにしても、見るからに
高級な物って分かるような物ばかり
それに、雰囲気とか他にもあるけど
とにかく、違うんです!!
だから、もしかしたら拓海の家はお金持ち
なんじゃないかって…」

「蓮は、坊ちゃんに聞こうと思えば聞けた
それなのに、聞こうとしなかった」

「…はい」

「それなら、坊ちゃんも悪いが
蓮も悪いな」

「どうして…?」

「聞きゃよかったんだよ
間違ったらゴメンって言ってな
付き合ってからの、この1年
言おうと思えば言えたこと
聞こうと思えば聞けたこと
蓮にも坊ちゃんにも言える事だ」

「…そうですね」

「それに、今更何を言っても
しょうがない事だ、蓮も坊ちゃんも
これから、どうするかって事だよ」

「瑠依の言う通りよ
今更、言ってほしかっただの
聞いときゃよかっただの
言ってっても何の解決にもならない
今後、どうするかって事の方が大事よ
こればっかりは…
蓮君自身で答えを出さないとね」

「…はい」

「蓮、これだけは言っとく
あの話に、逃げるのだけはナシだ」

私は、瑠依を横目で見て
昨日、言ってた事と違くないか…
と思った。

「…はい」



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