トゲ病
少し歩いて小さな喫茶店に入った                                  「あー、懐かしいなぁ!あの頃はバリバリツッパッテたけど、いい思い出だよねぇ」                                 真実がアイスコーヒーをストローで掻き混ぜながら呟いた                                               美佳は益々痛くなる胸を押さえながら、いい思い出なんて無かったと思っていた                                               それにしても今更何の用だと言いたかった                               しかし、ジワジワと痛む胸のせいで思うように喋れない                                 そんなとき、ポケベルが鳴った                                                                                    「4951」                                           真実がベルを覗いて言った                                                「あたしも行きたい」
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