トゲ病
その時目の前が一瞬、緑色の景色に包まれた                 『ママ…………」                                        ママ?確かにママと聞こえた……それもかなり近くから                                                美佳は辺りを見渡した                                     見れども、見れども、緑色が広がっている                              「な……んだ…これ?…………はぁ……?」                                       まったく訳がわからない                          大輔の家を飛び出してから、たいして歩いていないのに………これは、いったい何なんだ                                           『ママ、ウマレタヨ、ボク』                                         まただ!                                          その声は、何処からするのか………………………                                        美佳は胸の鼓動が最大になるのを感じ始めた                                                  遂にトゲが誕生の日を迎えてしまったのだ
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