トゲ病
「興奮しているようなので注射しましょう」                             暴れ泣き叫ぶ美佳に、先程の男性が近づいてきた                                     「どっ、ドゲがぁーっ、とっでぇよー!どっでぇえ」                                     縋るように男性の白衣の裾を掴み泣く美佳………                                     「トゲ?フフフ………そんなもの、どこにもありませんよ……………」                                          男性はニッコリ微笑むと注射器を手にした                                       「はい、腕出して」                                         美佳はブルブル震えながらも袖を捲り腕を出した                                    そして男性の方をチラッと見ると                                              「ギィヤァアアアアッーヤメテーッ!!」                                                    男性の持っている注射器は大きな緑色のトゲだったのだ                                                「……ック」                                         美佳は気を失った
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