その男、危険人物にて要注意!!
「お帰りー、お姉ちゃん」
「ただいま。 熱は……」
お姉ちゃんの優しい手が額に触れる。
「んー、下がったかな?」
「うん、もう元気だよ。
…… でも、ごめんね。 ご飯の準備、してないの」
ずっと、眠っていたせいでご飯の準備はまだしていない。
本来なら終わっている時間なのに……。
「紗雪は具合が悪かったからそんなこと気にしなくていいの。 今日は紗雪のためにおいしいご飯を作ってあげようと思って早く帰ってきたんだから」
今日のお姉ちゃんは本当にいつもより早い。
“いつもより”と言っても、1時間程度だけど……。
あたしが具合悪かったから、わざわざ帰ってきてくれたんだ。
なんか、忙しいお姉ちゃんに悪いことしちゃったな。
「今からご飯を作るから待っていて。 陽斗君もどーせ、食べていくでしょ?」
えっ、松田さんも一緒にご飯を食べていってくれるの?
それ、嬉しすぎる。
でも、お姉ちゃんもそうだけど、松田さんだって仕事終わりだ。
だから、自分の部屋でゆっくりした方がいいよね?