その男、危険人物にて要注意!!
ちょこちょこと進み、テレビ前に置かれているクッションに座る。
松田さんらしい、黒いクッションだ。
「コーヒーと…… お茶があるけど、なにがいい?」
キッチンから声が届いた。
「あっ、お構いなく!!」
「コーヒーとお茶」
そんな、勝手にあたしがお邪魔したのに…… そこまで良くしてもらう必要なんてないのに。
「お、お茶で……」
「最初からそう言えばいいの」
はい、松田さん。
ごめんなさい。
どうも松田さんに甘えるのは苦手だ。
恋愛の経験は当然、少ない。
年上の付き合った事なんて、当然だけど――― 無い。
そりゃ、同級生とはあったけど……。
特になにもなく、自然消滅で終わった。
だから、松田さんと付き合い始めたのはいいけど…… なにを話していいのか、メールは送っていいのか。
全くわからない。
「はい、どうぞ」
「ありがとうございます」
テーブルにお茶が置かれた。
松田さんは躊躇無く、あたしの横に座った。