その男、危険人物にて要注意!!
カーディガンを部屋から持ってきて……。
「お姉ちゃーんっ、先に行くねー」
「玄関で待っていてー、今行くからー」
足取りは軽く、あたしは玄関から出た。
「あっ―――」
隣のドアの前には…… カギを閉めようとしている、松田さんがいた。
あたしの存在に気づいたのか、松田さんがあたしに顔を向けて笑いかけた。
「これからお出かけ?」
「はいっ」
「そっかー、気をつけてね。 ふぁー、眠っ」
やっぱり、眠そう。
その時――― あたしの部屋の玄関が開いた。
「紗雪ー?」
お姉ちゃんが出てきた。
「こんにちは」
玄関から出てきたお姉ちゃんは、あたしが松田さんと話していたことに気づいたのか、少し警戒した感じだ。
「いつも、妹に“コーヒー”ありがとうございます」
「いえっ、妹さんはお姉さんに似て、やっぱり綺麗ですね」