その男、危険人物にて要注意!!




「今日、文化祭の準備は?」


「今日は天気が悪くなりそうだからって、早めに終わりました」


「そうだね、今日は天気が悪いもんなー」


あたしを見てくれないけど、お仕事している松田さんは、カッコいい。

ポーッとパソコンを打つ、松田さんを眺めていたら。


「見すぎ、恥ずかしいから」


「ごめんなさい」


松田さんには見ていたのがバレバレだったみたい。


「この仕事をしているってさ、紗雪ちゃんに隠したかった訳じゃないよ?」


「はい」


「ただ、このコンビニさ…… 近いじゃん?」


“近い”

その言葉の意味が分かる。


「だから、いつか紗雪ちゃんに見つけて欲しかったんだよね」


クスクス楽しそうに笑いながら松田さんはカチカチをパソコンを打つ。


「教えてくれたら良かったじゃないですか」


少しだけふてくされると、松田さんの手が伸びてきた。

その手が頭に乗る。


「隠していた方が、俺の仕事がわかったとき、嬉しくならない?」


悔しいけど…… なった。

長い間、気にっていた松田さんの仕事がわかった。

この嬉しさはハンパない。




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