その男、危険人物にて要注意!!




「ちょい、陽斗―。 レジ入ってー」


「はい」


さっき、あたしが入ってきたドアから少し顔を覗かせてきたのは――― 店長さんだった。


「それで、そのレジがひと段落ついたら今日は上がっていいから」


「えっ、いいんですか?」


「あぁ、今日はいいよ。 いつも遅くまで働いてもらっているし、それに……」


意味ありげにニヤッと笑い、松田さんを見ていたと思ったら、あたしに視線が向いた。


「かわいい陽斗の彼女さんが来てんだもんなー。 早く帰さないわけにはいかないだろー」


この店長。

なんだかお姉ちゃんと同じ匂いがするのは気のせいだろうか?


「ほら、さっさと仕事しろ!!」


松田さんはやや重い腰を上げて立ち上がった。

あたしの頭に手を置き、優しくなでる。


「ちょっとここで待っていて。 1時間くらいで終わるから」


「はい」


“ありがとう”と言って、松田さんは再びフロアに戻っていった。


そして、さっきまで松田さんが座っていた所には…… なぜか、店長さんが座った。




< 150 / 209 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop