その男、危険人物にて要注意!!
「ちょい、陽斗―。 レジ入ってー」
「はい」
さっき、あたしが入ってきたドアから少し顔を覗かせてきたのは――― 店長さんだった。
「それで、そのレジがひと段落ついたら今日は上がっていいから」
「えっ、いいんですか?」
「あぁ、今日はいいよ。 いつも遅くまで働いてもらっているし、それに……」
意味ありげにニヤッと笑い、松田さんを見ていたと思ったら、あたしに視線が向いた。
「かわいい陽斗の彼女さんが来てんだもんなー。 早く帰さないわけにはいかないだろー」
この店長。
なんだかお姉ちゃんと同じ匂いがするのは気のせいだろうか?
「ほら、さっさと仕事しろ!!」
松田さんはやや重い腰を上げて立ち上がった。
あたしの頭に手を置き、優しくなでる。
「ちょっとここで待っていて。 1時間くらいで終わるから」
「はい」
“ありがとう”と言って、松田さんは再びフロアに戻っていった。
そして、さっきまで松田さんが座っていた所には…… なぜか、店長さんが座った。