その男、危険人物にて要注意!!
今まで松田さんはあたしの存在を隠していたんだ。
でもどうしてだろう?
「当たり前じゃないですか。 こんなに可愛い紗雪ちゃんを店長の目に触れるようなことしたくないですから」
「あのねー、お前の彼女に手は出さない」
「それは当たり前です! ここ、アルバイトが少ないからって紗雪ちゃんをバイトに誘うなんてことをさせないためです」
「うわっ、陽斗に俺の考えが読めていたのかー」
店長さんは背もたれに背を預けて天井を向いた。
え、えぇ!!
あたしってもしかして、バイトに誘われそうだったの?
まぁ…… バイトはしてみたいと思っていたけど、お姉ちゃんが絶対に許可しないと思う。
「紗雪ちゃん、このジュース美味しい?」
店長さんと話すことが終わったのか、あたしに話を振ってきた。
「はい、美味ししです」
「当たり前だろー、そのジュース女性に人気なやつなんだから」
「そうですけど、俺はあまり好きじゃないんですよねー」
店長さんも話に加わる。
「てか、そのジュースも紗雪ちゃんに買ったやつだし。 陽斗の好みに合わせていたら、紗雪ちゃんかわいそじゃねーか」