その男、危険人物にて要注意!!
あ……。
ちょっと、今の店長さんのその発言、やばいかもしれない。
松田さんも少し、思うとこがあったのか少し首を傾げた。
「店長、それってどう言う意味?」
「はっ、そのままだし。 だって紗雪ちゃんは“コーヒーが苦手”だろ? なのに、陽斗の好みに合わせていたらかわいそうだし」
あ、バレちゃった。
今まで隠していたのが、バレちゃった。
「何言っているの、店長……」
「だから、紗雪ちゃんはコーヒーが苦手なんだよ。 なんだよ、陽斗。 急に驚いた顔して。 彼氏なんだから、それくらい知っているだろ?」
ごめんなさい、店長さん。
松田さんは彼氏だけど、あたしがコーヒーが苦手だって――― 知らないの。
話していないの―――。
あたしが悪いの。
「そうなの、紗雪ちゃん?」
松田さんがあたしを見下ろし聞く。
「はい」
今まで隠していたことが後ろめたく、あたしは俯いて返事した。