その男、危険人物にて要注意!!




…… 結局、松田さんはあたしに手伝わせてくれなかった。

大人しくあたしはテレビをボーッと眺めながら、チラチラとキッチンにいる松田さんの様子を伺っていた。


「はい、できたよー。 レンコンハンバーグ」


「レンコンハンバーグ、ですか?」


「そうだよ。 あれ…… レンコン嫌い?」


突然、松田さんの顔が曇った。


あたしは首を横に振る。

レンコンは嫌いじゃない。

だた……。


「手の込んだ料理が出てきてびっくりした?」


少しだけいたずらっぽく笑いながら松田さんが言った。


「あ、はははは……」


あまりにも的確に的を得た答えだっただけに、苦笑いしながらテーブルを片付ける振りをした。

このテーブル。

そんなに汚れていないから綺麗に片付ける必要も無い。

でも、なんだか松田さんと目を合わせづらくてテーブルをゴシゴシ拭いた。


あたしが拭いたテーブルにレンコンハンバーグだけでなくて、スープまで並んだ。


「あとで、デザートも食べようね」


どうやら、デザートまであるみたい。




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