その男、危険人物にて要注意!!
缶コーヒーと金曜日
“また会いたいな”なんて、思っていた…… それは、案外早くやってきた。
松田さんとお姉ちゃんと関係を知った翌週の金曜日……。
「あっ……」
松田さんがドアの前に座っていた。
あたしの足音に気づいたのか、松田さんが顔をあげてあたしをとらえる。
「おかえり」
顔をくしゃっと崩して、あたしに微笑みかけてくれた。
その表情にあたしの胸は大きく打ち付ける。
「ただいま、です」
松田さんはどうしてこんなとこに座っているんだろう?
日も当たらないこの寒い廊下で、ビニール袋をぶら下げてただ座っているだけ。
部屋のカギでも落としたんだろうか?
「なにしているんですか?」
つい、気になって――― 尋ねてしまった。
「紗雪ちゃんを待っていた」
えっ――― あたし?
あたしを待っていたの?