その男、危険人物にて要注意!!
ご機嫌とりはあなたの得意技でした
帰り道は、二人で手を繋いで帰る。
途中のスーパーに寄り、夕ご飯の食材を買ってから帰ることにした。
「せっかくなんだから、どこかで食べて帰ればいいのに」
なんて帰り道、松田さんに言われた。
せっかくのデートだったから、その方がいいのかも知れないが……。
「松田さんの料理、好きなんですもん。 レストランより美味しいから、絶対に食べたいです」
松田さんに胃袋を持って行かれたあたしは、どこのレストランより松田さんの料理の方がおいしいんだ。
それに松田さんだって、あたしに“今夜はなにを食べたい?”って聞いてきたからいけないんだ。
決まっていたら、そこに行ったのに。
「紗雪ちゃんが喜んでくれるならいくらでも作るからね」
「あたしも手伝いますね」
でも、やっぱり松田さんの料理が一番、好き。
買った食材はそれほど多くないから、松田さんが全部持ってくれて。
あたしは、ただ松田さんの手を握るだけで、部屋に着いた―――。