その男、危険人物にて要注意!!




ミルクプリンまでさっきの時間で作っていたのかな?

松田さんの料理はすごすぎる。


「あっ、これはさっき作ったわけじゃないから」


考えていたことが漏れていたのか、松田さんが苦笑いを浮かべた。


「これは紗雪ちゃんの文化祭の行く前に作って冷やしておいたんだ。 紗雪ちゃんが好きそうだと思ってさ」


「ありがとうございます」


本当に“ありがとうございます―――”だ。

昨日も遅くまで仕事だったみたいで、寝たのだって遅いと思う。

なのに、あたしが好きそうだからってわざわざ早く起きて作ってくれて……。


あたしは向かい側に座る松田さんの横に移動する。

そして、服の裾を掴む。


「松田さん、好き」


「――― !!」


自分の気持ちをちゃんと伝えよう。

あたしにはこれしかできないんだから。

こんなにも大切にしてもらっているのに、あたしはバカだな。

文化祭では見知らず学生にヤキモチ妬いて、見えないコンビニに来るお客さんにヤキモチ妬いて。




< 199 / 209 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop