その男、危険人物にて要注意!!
ミルクプリンまでさっきの時間で作っていたのかな?
松田さんの料理はすごすぎる。
「あっ、これはさっき作ったわけじゃないから」
考えていたことが漏れていたのか、松田さんが苦笑いを浮かべた。
「これは紗雪ちゃんの文化祭の行く前に作って冷やしておいたんだ。 紗雪ちゃんが好きそうだと思ってさ」
「ありがとうございます」
本当に“ありがとうございます―――”だ。
昨日も遅くまで仕事だったみたいで、寝たのだって遅いと思う。
なのに、あたしが好きそうだからってわざわざ早く起きて作ってくれて……。
あたしは向かい側に座る松田さんの横に移動する。
そして、服の裾を掴む。
「松田さん、好き」
「――― !!」
自分の気持ちをちゃんと伝えよう。
あたしにはこれしかできないんだから。
こんなにも大切にしてもらっているのに、あたしはバカだな。
文化祭では見知らず学生にヤキモチ妬いて、見えないコンビニに来るお客さんにヤキモチ妬いて。