その男、危険人物にて要注意!!




“松田さん、大好き―――”

そうは言ったは、いいが…… どうしてこうなっているんだろう?


「はい、紗雪ちゃーん。 口開けてー」


なぜか、松田さんにミルクプリンを“あーんっ”とされている。


「紗雪ちゃん、口開けないとあげないよー」


「自分で食べられますよ?」


「はいはい、そんなこと気にしない。

はい、口開けてー」


尋常じゃ無いくらい、恥ずかしいんだけど……。

誰も見ていないとわかっていても、恥ずかしい。

でも、目の前の松田さんは楽しそうにスプーンでプリンを掬ってあたしの口元に持ってくる。


プリンはおいしい。

だから、食べたい。

でも、この“あーんっ”は恥ずかしいんだって!!


「おいしい?」


あたしの気持ちなんて、つゆ知らずそんなことを聞いてくる。

どきどきして、味なんてわからないよッッ!!

首を傾げて尋ねてくるその姿が、またかわいい。


「紗雪ちゃん、顔が赤い」


当たり前です!!

こんなこと、本当に恥ずかしいんだから。




< 202 / 209 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop