その男、危険人物にて要注意!!
それはそれで…… なんか嫌だ。
からかわれないで、なにかあればいいんだけど……。
「無いんだよな」
こうも本当にヒマだと、なにをしていいのかわからない。
――― カシャンッ!
遠くてなにか物が落ちる――― ビニール袋に入ったなにかが落ちるような音がした。
もしかして…… 松田さん?
松田さんはいつも…… あたしと会う時はビニール袋を持っている。
だから、いまの音も…… !
あたしの足は玄関に向かって動いていた。
もう、無意識にだ。
玄関を開けて…… 隣を見た。
「……」
なんだ…… 誰もいないし。
寂しさを感じながらも、あたしは部屋の玄関を閉める。
会いたい、会いたい。
会いたいよ……。
あたしは松田さんの“彼女”ってわけじゃないんだけど……。
会いたい―――。
この気持ちがなんて言うか知っているから……。
「会いたいんだよな」