その男、危険人物にて要注意!!
「紗雪ちゃん」
「松田さん……」
あたしと身長差があるから、松田さんがあたしと視線を会わせるように屈んだ。
「紗雪ちゃん、それ…… くれるの?」
あたしの持つ箱を指差しあたしと視線を交える。
真っ直ぐ見つめてくる松田さんのその瞳から、あたしは捕らえられたら。
「これ、ケーキです。 いつも、コーヒーありがとうございます」
スッと――― 白い箱を差し出す。
あたしの差し出す箱を受け取るとき。
「~~~ っっ!」
一瞬だけ、あたしと松田さんの手が重なった―――。
大きくて、温かい――― 松田さんの手。
「ケーキか…… 久しぶりだ。 紗雪ちゃん、ありがとう」
「いえっ」
「ちょっとー! そのケーキを買ってきたのはあたし! 紗雪じゃないんだから!」
もう、お姉ちゃん!
いま松田さんと見つめ合って結構いいとこだったのに。
「美春先輩もありがとうございます」