その男、危険人物にて要注意!!
いってらっしゃい、お姉ちゃん
翌日―――。
キャリーを持ったお姉ちゃんが玄関を出て行くのを見送った。
「じゃあ、紗雪。 いい子にしていてね」
「わかってるよー」
「何かあったら電話してね」
「はーい」
「陽斗くんに頼ってもいいから」
「お姉ちゃんに電話するから!!」
松田さんを頼るだなんて…… そんなこと、チキンなあたしには到底出来ない。
「一応、陽斗くんに紗雪のこと頼んであるから…… もし何かあったら陽斗くんを頼るんだよ」
「わかっている」
「じゃあ…… 行ってきます」
玄関から出ていくお姉ちゃんを見送り…… あたしは部屋に戻る。
いつもと変わらないお姉ちゃんの出張だけど…… 今回は、松田さんが来てくれるって特典だ。
お姉ちゃんにしたら、何の特でも無いんだけど…… あたしには、大きな特典。