その男、危険人物にて要注意!!




どうしよう……。


「今から作るの?」


「はい……」


さすがに“片付けして遅くなりました”なんて、言えない。


「もう食べ終わる頃だと思って…… 買ってきたんだよね」


今まで気付かなかったけど…… 松田さんの手にはいつものように、ビニール袋があった。

半透明なそれからは、ショートケーキが見える。


「あのっ、ごめんなさい」


「いやっ、俺が勝手に買ってきたことだから……」


ズーンッと重い空気が二人を包み込む。


なんとかこの空気を変えなきゃ。

でも、何を話していいかわからない。


「これからごはん作るんですけど、一緒に食べませんか?」


「えっ、いいの?」


「はい、大したものは作れませんけど」


「じゃあ、お邪魔します」


うわーっ、あの松田さんが部屋に入ってきたよ。

掃除しておいて、よかったー。




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