その男、危険人物にて要注意!!
「はい、これが最後かなー」
「あっ、ありがとうございます」
松田さんはすべてを運び終え、あたしの向かいに座る。
「……」
美味しいかな?
口に合うかな?
松田さんが口に含むのを、ジーッと見つめて。
「美味しいですか?」
「ん、美味しいよ」
「ありがとうございます」
やったー、松田さんに“美味しい”って言ってもらっちゃった。
頑張っただけはあるな。
「紗雪ちゃん、ごめん。 ちょっと仕事しながらでもいい?」
「いいですよ」
“ありがとう”と言って、松田さんはさっきまで読んでいた書類に再び目を移す。
いつもとは違う松田さんに、少しだけドキドキしながら見つめる。
左手に書類を持って、時々難しそうな顔をしている。
ふいに、目があった。
「そんな見つめられちゃ、やりずらいし、食べずらいんだけど……」