その男、危険人物にて要注意!!
苦笑いしつつ、あたしと視線が合わさった。
「ごめんなさい」
「いや、俺も悪かった。 せっかく紗雪ちゃんが作ってくれたご飯を仕事しながら食べて」
そんなこと、気にしなくていいのに……。
あたしは逆に、普段見れない松田さんの姿が見れてよかったのに。
「忙しいんだから、気にしないでください」
松田さんは社会人だ。
だから、お仕事はしょうがない。
あたしは松田さんと一緒にご飯を食べられるだけで満足しているから。
「紗雪ちゃんはバイトしてないの?」
「してないです。 お姉ちゃんが“絶対にダメ”って言うんです」
「美春先輩らしいなー」
といって、笑い出した。
「でも、バイトしたいって思わない?」
「ちょっとは思いますね。 でも、今は勉強もしたいしお姉ちゃんのご飯も作らなきゃいけないから、バイトしている時間は無くて……」
「うん、それが一番だよ」
“俺も紗雪ちゃんのバイトには、反対だなー”なんて言って、また手を動かす。
「明日は美春先輩、何時に帰ってくる?」
「何時とまではまだ聞いてません。 たぶん今夜の電話じゃないかなーって」
「えっ、美春先輩って毎日電話してくれるの?」