その男、危険人物にて要注意!!
くちぐせ
「紗雪の彼氏はあたしの目に適う人しか認めない」
「……」
なんだ、それ……。
初めて聞いたよ。
それよりも、まだあたしはそのころは中学生だったのに……。
「よく言っていたよ」
そう言い終え、松田さんは軽く笑ってまた食事を再開した。
たしかに……。
あたしの好きな人が出来たときてかは“あたしの目に適うかなー”とか“あたしが認めた男じゃなきゃ紗雪の彼氏には相応しく無い”とか……。
よく、父親紛いなことを言っていたっけ?
今まで彼氏はいなかったからなんの問題も無かったけど……。
「あたしの彼氏になる人は“お姉ちゃん”という関門を通るわけですね」
「いずれね」
お姉ちゃんならあたしの選んだ相手なら文句言わないと思うけど……。
ふいに――― ケータイが鳴った。
「出ていいよ?」
「ありがとうございます」
松田さんからの許可を得て、あたしはケータイを握り、少し離れた場所に移った。