その男、危険人物にて要注意!!
あっ、お姉ちゃんからだ。
「もしもし!」
「紗雪、なんかいつよもり元気がいいね。 もしかして陽斗くんがいるとかーっっ!!」
うわっ、当たっている。
お姉ちゃんは冗談で言ったんだろうけど…… それが事実なせいで、あたしは次に発する言葉が見つからない。
それを察したのか、お姉ちゃんが伺うように言った。
「マジで?」
「う、うん……」
ちらり、松田さんに視線を向けるけど…… 電話の声が聞こえてないのか平然としている。
さすがに今の会話は、聞かれたらまずいよ。
「今、二人で何しているの?」
「ご飯、食べていた」
「二人で?」
「二人で……」
間違っていないので、正直お姉ちゃんに打ち明ける。
お姉ちゃんはお姉ちゃんで“二人でねー”なんて言っている。
悪いこと…… だったかな?
「紗雪がしたかったことでしょ? お姉ちゃんは止めないよ。 美味しくご飯、できたんでしょ?」