その男、危険人物にて要注意!!
松田さんも“美味しい”って言ってくれたから、成功だ。
日頃からご飯を作ってはいたけど、まさか松田さんに“美味しい”って言ってもらいながら食べてもらえるなんて思っていなかったから、嬉しい。
これからはもっと料理のバリエーションを増やそうかな?
「陽斗くんはいる?」
「う、うん。 いるよ……」
「変わってくれる?」
松田さんに?
不思議に思いながら、ケータイを持って松田さんに近づく。
「松田さん……」
「紗雪ちゃん、どうした?」
「お姉ちゃんが松田さんに変わってほしいみたいです」
“み、美春先輩!?”と言って、少し焦ったような感じもしたけど、すぐに立ち直って。
「ありがとう」
そう言って、電話に出た。
なんなんだろう、お姉ちゃんが松田さんに用事って。
想像もできなくて、あたしは残りを食べ始める。
少し遠く離れたとこで松田さんは話しているので、会話は全く聞こえない。