その男、危険人物にて要注意!!




「さっき、物音が聞こえたからどうしたのかと思ったんです」


久しぶりに松田さんと顔を合わせるせいか、緊張してなかなか松田さんと目を合わせる事ができない。


「ごめんね、遅い時間にあんな物音をたてて……」


松田さんが悪い訳じゃない。

ただ、最近松田さんに会えなくて寂しかったから理由をつけて会いに来ただけなのに。


「大丈夫ですか?」


「うん、大丈夫。 ちょっと落としただけだから」


松田さんはそう言って、あたしの頭を優しく撫でた―――。


「――― ??」


あれ、なんだろう何かが違う。

いつもと松田さん、違う気がする。


「熱、あるんですか?」


「えっ、なんで?」


「いつもより、熱いから―――」


いつもは“熱い”と言うより“暖かい”が正しいけど、今日は“熱い”

松田さんの手から伝わる熱がいつもと違う。


「夏だからだよ、きっと」


「そうですか…… 今日、いつもより暑いですからね」




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