その男、危険人物にて要注意!!
「買っていこうかな……」
松田さんはいつもコーヒー飲んでいるみたいだったし…… 運転のお礼も兼ねて、買ってもいいよね?
缶コーヒーとオレンジジュースを手に持ち、お会計を済ませる。
「松田さん」
「紗雪ちゃん! 探したんだ」
ここの売店は比較的広く、売店の隣には食堂のようになっているつくりである。
いくらランチタイムを外しているとしても、人が多い。
「なにか買ったの?」
「はい、飲み物です」
「あとは大丈夫かな?」
「はいっ」
並んで車に戻り、エンジンを掛けようとしている松田さんを止めた。
「松田さん」
「んー、どーしたー」
「コーヒー、よかったらどうぞ……」
「……」
松田さんの視線が、あたしの右手に持つコーヒーに移った。
「コーヒー、嫌いでしたか?」
「あっ、いや。 ちょっとびっくりして……。 ごめんね、気を使わせたみたいで」