その男、危険人物にて要注意!!
優しい秘密
少しして……。
「ここら辺に降りてみようか」
「はい」
狭い駐車場を見つけた。
昔、ここら辺は海水浴場だったのか、駐車場らしい場所がいくつかある。
ここも、うっすら白線が残っている。
「あっちー」
車から降りた松田さんが服をパタパタする。
「海だー」
そんな松田さんを横目にあたしはばっちり海を見ている。
降りてもいいかな?
潮の香りが鼻を刺激する。
「紗雪ちゃん、行くよ?」
「はーい」
狭い階段を降りると、砂浜を二人で並んで歩く。
砂がサンダルの中に入ったり、砂に足を取られて歩きづらい。
松田さんみたいに、スニーカーにすればよかった。
波打ち際まであたしは、足を延ばす。
松田さんは少し離れたとこに座っている。
「冷たーい」
サンダルは松田さんのとこに置いて、あたしは一人で足だけ浸かる。