ここにある
あたしは詩音の観察をやめられなくなり、さらに、まじまじと見つめた。


健康的な男子にしては少し白い肌をしている。

でも、陶器のようにキメのそろった、なめらかな肌は、触れたいと思ってしまうほど魅力的だ。


無意識のうちに、詩音の頬に手を伸ばしかけ、あたしは慌てて手を引いた。

その刹那、きゅーんと小犬のような鳴き声が聞こえた。
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