ここにある
トレーの上で、出来たばかりの照り焼きバーガーが

早く食べてくれと言わんばかりに濃厚なうまみを香らせ、熱を放っている。


でも、それどころではない。

フライドポテトしか注文していない詩音に「それで、たりる?」と聞こうとしたけど

詩音のポテトを見る目があまりにも満足げで、あたしは言葉をひいた。


詩音がポテトにそっと指を伸ばした。

< 116 / 281 >

この作品をシェア

pagetop