ここにある
「それ、悲しい涙…?」

詩音がテーブルにこぼれた雨粒のようなあたしの涙を見ながら、静かに言う。


そうだと言ったら、またあのやわらかな笑顔で、もらってくれる……?

怒鳴られる理由もない詩音に、ただ身勝手な感情をぶつけたあたしを、受け入れてくれる……?


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