ここにある
くつ底と砂利がこすれる、ずりずりと引きずるような足音。


その不気味な足音にあたしは、ぞわりと背筋が冷えた。


足音はあたしとの距離を計るように、じりじりと、にじり寄ってくる。


やがて、ざくりと音が変わった。

それは一歩、あたしに近づいたことを、示した。
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