ここにある
「好きな食べ物は?」という質問に「照り焼きバーガー」と答えた瞬間

二人の空腹音が同時に重なった。

まぬけな音の合唱に、はははと苦々しく笑って見せれば

詩音が「そうだ!」とかばんの中をごそごそ探りだした。

何を出すのか、すでに想像できたあたしは、詩音が差し出すそれを待っていた。

ところが「あ~ぁ」という詩音の期待外れの言葉にがっくりと肩を落とした。


ん…?

ちょっと、待って…!
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