ここにある
「送るよ」

「いいよ、西A棟すぐそこだし」

「送るって」

「いいってば」

「送りたいんだ」

「……」


頬が熱く、あとは小さくうなづくことしか出来ないあたしに

詩音はおだやかに笑った。


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