ここにある
第三章
行くべき場所
『陶子』
母の声がする夢を見た。
低くて、しっとり落ち着いた母の声。
『腕時計は、こうやってネジを巻かないと止まっちゃうの、わかる?』
お気に入りのミニーマウスの腕時計を何度も巻きなおしてくれた。
『陶子』
何度も名前を呼ばれると、申し訳ないようで、嬉しくて、くすぐったい気持ちになる。
もう少しだけ、寝たふりしようかなぁ…
まどろみにひたり、ぼんやりと思えば
夢は決まって悪夢にすりかわる。
母の声がする夢を見た。
低くて、しっとり落ち着いた母の声。
『腕時計は、こうやってネジを巻かないと止まっちゃうの、わかる?』
お気に入りのミニーマウスの腕時計を何度も巻きなおしてくれた。
『陶子』
何度も名前を呼ばれると、申し訳ないようで、嬉しくて、くすぐったい気持ちになる。
もう少しだけ、寝たふりしようかなぁ…
まどろみにひたり、ぼんやりと思えば
夢は決まって悪夢にすりかわる。